世界で最も注目されているモータースポーツ競技に参戦する、アルファ ロメオF1チームの「舞台裏とその先」に迫る5つのデジタルアポイントメントの第4弾として、本日より “Measuring the unmeasurable”（計測不可能なものを計測する）を公開しました。これは、「Beyond the Visible」の最新作で、アルファ ロメオ・ブランドの魅力的なドキュメンタリーとして、最初の3つのエピソード「Before we hit the ground」「Trust is gained」「The Hidden Backbone」は、これまで人気を博しています。
第4話「計測不可能なものを計測する」では、抵抗、摩擦、運動を「制御」するために空気の力学を研究する科学、すなわち航空力学の秘密を紹介します。これらはすべて、レース中のシングルシーターの挙動に影響を与え、その効率と性能を向上させるものです。アルファロメオF1チームのデザイナーとエンジニアは、新しいレギュレーションに沿ったシングルシーターの設計と同時に、トラック上での優れたパフォーマンスを確保することを目的に、エンジンやシャシーの設計者と密接に連携しながら、この基本的かつ複雑な作業を任されています。
気流がクルマと相互に、どのような作用をしながら車体の下を流れ、地面に向かって押し出すかを理解することで、チームは天候、アスファルト、コースに応じて戦略を組み立て、すべてのレースで競争力を発揮することができます。そのため、大会期間中にエンジニアチームは、たゆまぬ努力でエアロダイナミクスの開発・改良に取り組んでいます。ヒンウィルでは、風洞で個々のコンポーネントの開発とテストが続けられ、世界選手権が開催されるサーキットでは、それぞれのコースでシングルシーターの最も効率的なセットアップを達成するために、この作業が行われます。「計測不能なものを計測する」この相反する作業から、勝利のための理想的なマシンが生まれます。成功の秘訣は、ヒンウィルのザウバーファクトリーで開発されたソリューションを、できるだけ早くサーキットに持ち込むことにあります。だからこそ、レース中のすべてのデータを処理し、非常にタイトな納期の中で最善の戦略を決定する必要があるのです。
F1の専門家でなくても楽しめるように、このエピソードでは、F1の最も重要なファクターである空気抵抗とダウンフォースを、ダイナミックに紹介します。タイヤ周りの気流と車内の気流を管理するフロントウイングから、全体を通して空力の負荷を左右するリアウイングまで、個々の空力部品の働きも紹介しています。エンジニアにとって最も難しい仕事は、コーナーでウイングと車体が生み出すエアロダイナミクス（空力負荷）と、高速の直線で空気を切り裂く低い抵抗力との間の妥協点、これらについて最適なセットアップを見つけることです。
さらに、作業の現場では天候や気温、風速、コースコンディションなどの要素から、タイヤ交換に関する最適な戦略を見出すために、ドライバーからエンジニアに伝えられるフィードバックの重要性を知ることが可能です。つまり、何事も偶然に任せず、すべてを細心の注意を払って分析し、パフォーマンスを最適化しているのです。1960年代初頭から空力の研究は、モータースポーツの世界ではまさに基本であり、技術の進化やパワートレインの高性能化とともに、常に改良が加えられてきました。
アルファ ロメオF1マネージャーのクリスティアーノ・フィオリオは次のように語っています。「このエピソードのテーマは、これまでのエキサイティングなドキュメンタリーで最も興味深いテーマのひとつであり、F1において最も重要かつ戦略的な分野であるエアロダイナミクスの秘密を明らかにするものだ、と私は考えています。そして、ユニークな洞察力が生まれ、他社との違いを生み出す天才的な閃きが生まれるのです。それは徹底した研究、高い完成度を目指した絶え間ない追求、そして、偉大な人々からなる魅力的な世界です。だからこそ、サーキットとファクトリーの2つのチームが、最も競争力のあるクルマづくりを実現させるために、ともに協力しています。すべては、トップスピードとともに最高のパフォーマンスを発揮するチームになるという、ひとつの目標に向かっています」
2023 年 1月22日 、イタリア トリノ発
※ 上記は、本国のプレスリリースを一部意訳したものです。