イタリアの歴史的なブランドであるアルファロメオと、スイスに本拠を置くザウバー・モータースポーツは、両社が毎シーズンごとに成績を評価することを前提条件として、複数年契約を更新したと発表しました。両社は引き続き、より強固なチームスピリットをベースに、モータースポーツの頂点で戦うための協力関係を継続していきます。
この度の契約更新は、F1やスポーツカー、そしてツーリングカーなど、モータースポーツの歴史の中で輝かしい戦績を誇るアルファロメオとザウバーにとって、長期的で、かつ貴重な新章の始まりを意味します。
パートナーシップには、チームが毎年のように進化し続けることを目的とした、野心的な目標が設定されています。それらによってアルファロメオとザウバー・モータースポーツは、目標達成に集中しやすい環境下でそれぞれのビジョンを構築し、レースのオン・オフ両面で、それぞれが成功を追い求めることが可能になります。
2018年にF1復帰を果たしたアルファロメオは以来、シャルル・ルクレールやアントニオ・ジョビナッツィなどの有望な若手ドライバーを発掘すると同時に、キミ・ライコネンのような豊富な経験と実績を持つドライバーを起用することで後方グリッドから徐々に上位へと順位を上げてきました。アルファロメオ・レーシングは最も可能性を秘めたチームの一つへと成長しています。
2022年にはF1のレギュレーションが大幅に変更されます。中でもバジェットキャップ(予算制限)は、もともと筋肉質で優れた反射神経を持つアルファロメオ・レーシングにとっては、チームの躍進に有利に働くと考えています。
アルファロメオとザウバー・モータースポーツの契約更新は、共にさらに上を目指したいとの両者の思いの表れであり、シームレスで高効率な組織体制を通じてエキサイティングなチームとブランドの未来を創り上げていくために必要不可欠であると両社が望んだ結果です。
アルファロメオではブランドの未来像と長期的な事業計画を策定している最中です。世界が電動化へとパラダイムシフトを起こす中、インスピレーションに溢れた比類なきイタリアン・ブランドとして、アルファロメオは引き続きサーキットから生まれたというルーツに忠実であり続けます。ドライバーの喜びと情熱を常に中心に発想し、電動化されてもアルファロメオらしさに溢れる、持続可能なパフォーマンスを再構築します。
モータースポーツ、中でもF1におけるアルファロメオ・ブランドのプレゼンスは、未来においても重要な役割を果たします。それは1910年から培ってきた、アルファロメオのDNAに脈々と受け継がれている、誇り高きイタリアのスポーツ精神を象徴しているからです。F1はアルファロメオにとって進化を試す究極の実験室です。ハイブリッド・テクノロジーや持続可能性を実現する技術、そしてあくなき効率性の追求。それらはいずれもが、アルファロメオの電動化への道筋を描くために不可欠です。また、F1はグローバルなマーケティング・プラットフォームでもあります。
ザウバーとのパートナーシップによって、ザウバーが持つ技術的ノウハウを量産車や様々な開発プロジェクトへとフィードバックすることは、アルファロメオにとってかけがえのない財産です。これまでもザウバーとアルファロメオのパートナーシップによってもたらされたメリットは、サーキットという枠組みを超越するものです。ザウバーが、モータースポーツの最高峰において半世紀以上に渡って培ってきたノウハウの一部は、すでにアルファロメオ・ジュリアGTAとGTAmという直近のプロジェクトにも反映されています。
イタリアの歴史的な自動車ブランドであるアルファロメオはサーキットから誕生しました。私たちは、レースにかける情熱をブランドの核に置くことができるのをとても栄誉に続けてきました。私たちは、情熱と無限の向上心によって突き動かされているのです。F1は、自動車の電動化の最先端の実験工房であるという点において、アルファロメオのビジョンとも整合しています。そのうえ、何物にも代えがたい世界的メディア露出は、アルファロメオの将来的な成功に欠かせません。
本日、契約更新を発表することができて大変うれしく思っています。アルファロメオはこの数年、私たちにとって素晴らしいパートナーでした。この先、まだ見ぬ新たな章を一緒に紡いでいくことを楽しみにしています。新しいレギュレーションは、私たちにとって追い風になると確信しています。アルファロメオと一緒に、飛躍する一年にしたいと考えています。一緒に戦いながらトップグループの常連になることを目指します。アルファロメオとのパートナーシップはサーキットの外でも私たちにとって大変意義深いものです。私たちがこれまで自動車産業に提供してきたノウハウは、ザウバーのテクノロジーと生産技術の高さを証明するものでした。そして、これらのテクノロジーと生産技術を、今後もアルファロメオのプロジェクトで活用し、自動車産業の未来を形作る一翼を担いたいと考えています。