資料抄訳
29th OCTOBER 2018
改定 16th SEPTEMBER 2020
CMP (Common Modular Platform)はグループPSAをカバーする、まったく新しいモジュラー構造のマルチエネルギー対応プラットフォームです。
グループPSAのストラテジーにそって開発された、R&Dコストと製造プロセスの効率化および動力源の多様化に対応し、さらなるレベルアップを狙った完全新規設計プラットフォームです。
次世代B、CセグメントのすべてのPSA車輌をカバーし、2018年発表のDS 3 CROSSBACKから採用されました。
2019年から電動化パワートレインの市販を行うことをすでに発表しているグループPSAとしては、これらのプラットフォームはEMP2(プジョー308、SUV 3008、SUV 5008、シトロエングランドC4スペースツアラー、C5 エアクロス SUV、DSオートモビル DS 7 CROSSBACK)とこのCMPが担うことになります。
今後、特にシティカーに属す中核モデルはすべて、このCMPを用います。また、100%電動パワートレインにも対応しこれをeCMPと称します。2021年までにグループPSAは7モデルの電動化車輌をeCMPをベースに開発する予定です。
Cセグメント、Dセグメントの車体には、EMP2プラットフォームを使い、こちらはガソリン、ディーゼル、そしてガソリンエンジンのプラグインハイブリッド(PHEV)対応となります。2021年までには、プジョー、シトロエン、DSオートモビル、オペル、ヴォクソールの5つのブランドで8つのPHEVモデルを市販予定です。
結果として、電動化戦略においてPSAはBセグメントと一部のCセグメントではフルEV(CMP)、Cセグメント、Dセグメント以上ではフロントモーターもしくはリアモーター4×4のPHEV(EMP2)となるのが基本となります。この2つのプラットフォームによって世界中のあらゆる国、地域のあらゆるカスタマーに、内燃機関、プラグインハイブリッド、フルEVのあらゆる選択肢を提供できることになります。
2025年までにはグループPSAのすべてのモデルがなんらかの電動化パワートレインになる予定です。
左: CMP 右:EMP2
CMPの特長
1 モジュラー構造
コンパクトなシティカー(Bセグメント)およびエントリーレベルとミッドレンジのサルーン、SUV(Cセグメント)をカバー。プジョー、シトロエン、DSオートモビル、オペル、ヴォクソールのグループPSAが持つ5ブランドすべてが使用します。
特筆すべき多様性として以下を任意に組み合わせることができます。
・2つのトレッド
・3つのホイールベース
・3つのリアモジュール
・複数のホイール径
2 マルチエナジー
CMPはICE(内燃機関)仕様とEV仕様の混流生産を可能にしています。これによりカスタマーの要望の変化、そしてICE仕様とEV仕様の販売比率に柔軟に対応した生産ができます。
CMPによる最初のフルEVモデルはDS 3 CROSSBACK E-TENSE(2020年7月29日より日本発売開始)です。これは100kWの電動モーターと50kWhのリチウムイオンバッテリーパックを搭載し、高性能なヒートポンプシステムによるバッテリーの温度管理を行います。
同時に内燃機関も世界でトップクラスの環境性能の浄化システムに対応し、PureTech3気筒エンジンおよびCSRテクノロジーを備えた最新の1.5L BlueHDiクリーンディーゼルを搭載可能。欧州、日本、中国のあらゆる環境レギュレーションに対応します。
また、CMPは設計段階からCO2削減を念頭においています。
CMPによる軽量化でCO2削減1.2g/km以上
先進高張力鋼(AHSS)、超ハイテン鋼(UHSS)などの素材、プレス硬化型スチール、アルミニウム、複合素材を組み合わせています。
CMPによるエアロダイナミクス向上でCO2削減1.5g/km以上
アンダーボディのスムースな設計とフロント部分の最適化されたエアインテークなどにより、優れたエアロダイナミクス性能を実現しています。
CMPによる低転がり性能によりCO2削減2.5g/km以上
車軸周りを中心とした機械的なフリクション低減により、これまで以上の低転がり性能を実現。
3 パワフルかつスマート
より上級セグメントのもの利点をコンパクトクラスにもCMPはグループPSAの顧客に、運用面で多くのメリットを提供できます。
eCMP/CMP
■コンフォート性能の向上
音響面での快適性を大幅に向上させました。効率的なノイズの遮断と調音をボディの段階から行っています。
車軸周りに起因するバイブレーションを、構造とフロアのアクリル系素材により軽減しています。
より効果的なクーリングシステムと、空調システムにより室内環境の快適性を向上させています。
■レベル2運転支援システム
すでにDS 7 CROSSBACKで実現している先進運転支援システムを導入。
ハイウェイインテグレーテッドアシスト(HIA):ストップ&ゴー機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)にレーンポジショニングアシスト(LPA)を統合。車輌の速度管理と車線管理を行います。※ステアリング操作はドライバーによります。
第四世代シティパーク
速度、ブレーキ、ステアリング操作のすべてを支援します。
■ビルドクオリティと信頼性の担保
パフォーマンスと、運用時のクオリティおよび耐久性に関して、少なくとも3年間は新車の状態を維持できるよう今まで以上に留意して車輌の開発をしています。グループPSAは既存のBセグメントプラットフォーム(BVH1)の開発、改良を通じて多くの知見を蓄積しており、このセグメントにおける最高のレベルにある卓越したクオリティの実現を自負しています。
■妥協なきレベルの安全性能
私たちの主要マーケットにおけるコンシューマーテスト(ユーロNCAP、チャイナNCAP)で5つ星の獲得を目標に以下の機能を備えています。
自動緊急ブレーキ:歩行者および自転車保護のためのブレーキシステムは、これまで以上に都市部で光量の少ない状況でも作動します。
レーンキープアシスト:道路の縁の部分も認識
ブラインドスポットセンサー:フロント、サイド、リアの近接センサー
速度制限標識センサー:道路標識を認識し制限速度をドライバーに表示し、また速度調整を行います。
事故後のブレーキキープ:万が一の衝突時には、不用意に車輌が動かないようにブレーキ力を自動的に保持します。
[以下は電動パワートレインに関する特長]
■実用的な走行距離
車輌によりWLTPサイクルで300〜350km、NEDCサイクルで400〜470kmの走行が可能です。50kwhリチウムイオンバッテリーは、液冷ヒートポンプで充放電時のバッテリー温度の管理と最適化を図っています。このバッテリーは一個当たり約13.1kgのモジュールを18個組み合わせ、総体積約220ℓ、重量約350kgのこのバッテリーユニットを前席座面下、後席座面下、センターコンソールなどに車体を上から見たときにH型に、重量配分を考えて巧みに格納されています。ICE、EVに両対応するCMPのおかげで居住空間、ラゲッジスペースは基本同等となっています。
■室内空間と、トランクスペースの確保
前後シート間のフロア部分に巧みに配されたバッテリーによって、内燃機関仕様との比較においても優れたスペース効率を実現しています。
■重量増に対応し、リアトーションビームアクスルにパナールロッドを追加
EV仕様には、重量増に対応してリアトーションビームアクスルに横方向のパナールロッドを追加しています。横方向の応力に対応したものです。
■容易な充電
充電の簡便性:顧客の駐車場に備え付けられたウォールボックス(7.4kW-32A単相)で満充電まで8時間以内。超高速充電の場合は、公共の100kW急速充電ステーションの利用により容量の80%までの充電は30分以下。
4 グローバル
今後2年以内でグループPSAの世界中の製造工場で生産を開始する予定
この新プラットフォーム、CMPは2018年12月に生産を開始しました。また、2年で世界中のグループPSA工場で生産ができるようになります。このことはグループPSAの主要戦略エリア(フランス、スペイン、スロヴァキア、中国、アルゼンチン、ブラジル、モロッコ、アルジェリア)でマーケットにマッチした多くの製品バリエーションを量産できるようになることを意味しています。
プラットフォームについて
ここで言うプラットフォームはモジュラー構造の車輌のベースととなるものであり、新型車輌のコンセプトと設計、製造の中核となるものです。パワートレインを含むプラットフォームで車輌の製造原価の40%を占めます。ボディスタイルを問わず下記のものを含んでいます。
・アンダーボディ
・サスペンションシステム
・パワートレイン
・基本的な電装システム一式
このCMPひとつで、グループPSAは複数のセグメントの多様なバリエーションのボディスタイルの車輌を、世界各地のマーケットに合わせて開発することが可能になります。
まったく新しいCMPによって、各モデルの多様性を維持し、生産開始までのリードタイムを短縮し、製造設備と工場の製造キャパシティの最適化を実現します。
主要なアドバンテージは以下の通りです。
・時代に求められる基本性能における競争力の担保
・設計および生産段階の効率化と知見の集中
・開発スケジュールの短縮
・異なるマーケットにおける製品ラインナップの多様性の確保
・量産効果のさらなる向上
以上
Ver.1.5
*本リリースにおける「電動化」(英語:electrifiedなど)は、動力源として、ICE(Internal Combustion Engine:内燃機関)に加えて電気を使用したハイブリッド(HEV)、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)などを含む表現です。必ずしもバッテリーと電気モーターのみを動力源とした電気自動車(BEV、フルEV)だけを指すものではありません。
グループPSAについて
グループPSAは、あらゆる顧客に向けて、独自の自動車体験の創造と、モビリティソリューションを提供しています。グループ全体で210,000人の従業員と5つの自動車ブランド、プジョー、シトロエン、DS、オペル、そしてヴォクソールを要しています。また、広範なモビリティとスマートなサービスをFree2Move のブランドで展開しています。グループPSAの“Push to Pass”プランは、グループのヴィジョンである“a global carmaker with cutting-edge efficiency and a leading mobility provider sustaining lifetime customer relationships”(生涯にわたる顧客との関係を構築するモビリティを提供し、最先端の効率性を備えたグローバルな自動車メーカー)になることを目指しています。自動運転とコネクテッドカーの領域でアーリーイノベーターのひとつであるグループPSAは、PSAファイナンスを通じた金融活動およびフォルシアによる自動車関連サプライヤーとしても関与しています。
プジョーについて
顧客へのブランドのコミットメントは、爽快で情熱に満ちたドライビング、個性的なデザイン、そして妥協のない品質を示しています。これらのDNAは、プジョーの全てのモデルに注がれています。プジョーは世界へ向けて多彩な商品を提供するメインストリーム・ブランドを目指し、緻密なデザイン、高い品質水準、そしてエモーションを融合しています。1889年に始まったブランドの歴史は、2017年ダカールラリーにおける3008DKR の歴史的な1-2-3 フィニッシュによって新たな栄誉を獲得、2018年も総合優勝を果たし3連覇を達成。UNBORING THE FUTUREの新ブランドタグラインは、テクノロジーに支配されるのではなく、未来においても感動に溢れたクルマ創りを続けていくというプジョーの決意を表しています。
シトロエンについて
1919 年の創業以来、インターナショナルなフルライン自動車ブランドとして、堂々と、そしてクリエイティブなアプローチでつねにマーケットに臨んできたのがシトロエンです。個性溢れる特徴的なデザインとコンフォート性と先進技術によって自動車のある幸せなライフスタイルの提案をするシトロエンの各車を通じて自動車産業に新たな風を吹かせています。クルマに乗る人々とそのライフスタイルを真の意味で反映させたプロダクトを提供することを使命としており、ブランドのタグライン“Inspired by You”には、このフィロソフィーが込められています。シトロエンの製品は80近い国々で販売されており、2018年にはおよそ105万台の販売数を記録いたしました。また、日本国内市場は5年連続で純増を続け、2018年度で前年比+15%と好調に推移。ブランド創立100周年を迎えた2019年度は、前年比120.6%の国内販売4067台を記録いたしました。
DS オートモビルについて
DS AUTOMOBILES(DSオートモビル)の目指すところは伝統のクルマが身にまとうアヴァンギャルド、前衛の精神「Spirit of Avant-Garde」を受け継ぎ、フレンチブランドだけが成しえる「ラグジュアリー」をキーワードとしたフランスの自動車文化を復活させることです。ブランドの源泉となったDSは1955年の発表以来、今もなお20世紀のフランス自動車産業を最も象徴するクルマとして人々に親しまれています。ビジネスでの成功はもちろん、シャルル・ド・ゴール大統領をはじめ多くの政治家や著名人、セレブリティらから愛され、また映画シーンでの起用やスポーツシーンでの活躍などDSはフランスの人々の生活に彩りを添え、フランス流のスタイルを全世界にアピールしています。DS AUTOMOBILESは、この伝統をバックグラウンドに2014年6月1日にシトロエンから独立し立ち上げられました。DSブランドは、ひときわスタイリッシュなデザインやテクノロジー、ニーズに合わせてダイナミックに変化する快適性とディテールや素材にこだわったプロダクトとライフスタイルを提案していきます。
Groupe PSA Japan Press Contact
Groupe PSA Japan 株式会社
広報室
pr@groupepsajapan.jp